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【コラム】XGRIDS車載測量のご紹介——道路空間の高効率な三次元化に向けて

2026.02.02

2026.01.26

こんにちは。

株式会社すみれ測量設計事務所の王です。

このたび、XGRIDS および車載用のカーマウントキットを使用し、XGRIDS車載測量のテストを実施しました。

本コラムでは、その取り組みの概要として、実際の道路走行環境において、点群データを安定して連続取得できるかという観点から、車載測量の特長や実測結果についてご紹介します。


取り組みの背景

これまでの点群データ取得は、歩行による計測が中心でした。高い精度が得られる一方で、作業範囲や効率面には一定の制約があります。また、ドローンは広範囲を効率よく取得できるものの、地表付近の表現や都市部での飛行制限といった課題もあります。

こうした背景を踏まえ、歩行計測と空中計測の中間的な手法としての「車載測量」に着目しました。道路および沿道空間を、より効率的かつ連続的に把握できる可能性があると考えています。

吸盤式カーマウントキットの特長

今回使用したカーマウントキットは、吸盤式の固定構造を採用しています。車両のボンネットやルーフに短時間で設置でき、車体表面に多少の曲面がある場合でも、吸盤が自動的に角度を調整します。そのため、車両への改造を行うことなく設置できる点が特長です。

吸盤はバッテリー駆動で、吸着力を自動監視する機能を備えています。吸力が低下した場合には警告が表示される仕組みです。今回のテストでは、1 時間の連続使用でバッテリー消費は約 15% にとどまり、連続使用時間は約 6 時間と推定されました。

この稼働時間は、XGRIDS 本体の連続スキャン時間(約 1.5 時間)を十分に上回っており、車載測量用途として実用的な運用が可能であることを確認しています。

なお、吸盤自体の固定強度は十分でしたが、安全性をより高めるため、補助的に固定ベルトを追加し、冗長的な安全対策を講じました。

テスト内容の概要

テストは、地上基準点(GCP)が設置された閉ループ道路を対象に実施しました。ルートには生活道路、幹線道路、橋梁が含まれ、沿道には低層から中高層までさまざまな建築物が分布しています。

XGRIDS に GNSS 受信機を搭載し、車両屋根部の吸盤に固定したうえで、時計回り・反時計回りの両方向から、それぞれ 2 回ずつ走行しました。

  • 1 回目:走行速度 約 20 km/h
  • 2 回目:走行速度 約 30 km/h

走行中、急カーブや勾配区間においても固定状態は安定しており、機器の姿勢に大きな変化は見られませんでした。

テスト全体の所要時間は約 1 時間で、実際の道路条件下において、1 時間あたり約 20 km の連続スキャンが可能であることを確認しました。

精度の確認

取得データの精度を確認するため、同一ルートに対して歩行計測も実施しました。

歩行計測では、GNSS 測位と GCP を併用し、高精度な基準データを取得しています。

この結果を、車載(GNSS のみ)による計測結果と比較したところ、全体的な位置関係や形状に大きな差は見られませんでした。車載測量によって得られたデータは、道路空間の現況把握や基礎的な空間分析において、十分に活用可能な精度を有していると考えられます。

想定される活用シーン

今回のテスト結果から、XGRIDS車載測量は、次のような場面での活用が期待されます。

  • 道路および沿道建築物の現況把握・記録
  • 市街地や商業エリアの広域的な三次元化
  • 防災を目的とした道路空間や避難動線の可視化
  • 観光地における街並みレベルの 3D コンテンツ制作
  • 都市PRや計画説明用の空間資料作成

また、車載測量で取得した連続データは、後続の歩行による詳細計測におけるベースデータとして活用することも可能です。

おわりに

XGRIDS車載測量は、歩行測量と比べて、連続性とカバー効率に優れた特長を持つ手法です。比較的短時間で長い道路区間を取得でき、道路・沿道建築・街区スケールの空間関係を直感的に把握しやすくなります。

特に、交通量が多く、人が直接立ち入って作業する負担が大きい環境では、有効な選択肢のひとつとなります。断片的なモデルではなく、道路空間を一体として捉えるための基礎的な三次元情報を、効率よく整備できる点が特長です。

今後も私たちは、プロジェクトごとの条件に応じて、さまざまな計測手法を柔軟に組み合わせながら、実務に即した三次元データの活用方法を検討していきます。

道路や都市空間の三次元化の進め方にご関心がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。