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【コラム】登記と実際の面積が違う!?

2025.04.15

こんにちは、すみれ測量設計事務所です。

3D測量やモデリング、ドローン測量、境界測量、建築測量など、それぞれに対応できる会社はあります。しかし、これらすべての技術や知識を深く理解し、ワンストップで対応できる企業は多くありません。

当社は、最先端の技術と豊富な経験を活かし、お客様のニーズに合わせた最適な提案を行います。また、必要に応じて、登記業務を行う専属の土地家屋調査士と連携し、スムーズな手続きをサポートいたします。どのようなご依頼にも、安心してお任せいただけるよう、誠実に対応いたします。

登記と現地が違う!?
測量のプロが見つけた「土地・建物のズレ」とは

不動産の登記簿は、“その土地や建物がどういうものか”を記録した公的な帳簿。
しかし私たちが調査をしていると、登記簿に記載された内容(地籍)と、現地の状況(実測)が異なるケースにたびたび出会います。

とくに、土地の面積(地積)や地目、建物の床面積・構造・種類など、
いわゆる「登記簿の表題部」に書かれた情報は、現況を正確に表していないことが少なくありません。

登記簿の“顔”である「表題部」は、実はズレていることも


登記簿には「表題部」と「権利部」があり、
“表題部”は土地や建物そのものの情報(地積・地目・床面積など)を記録したものです。
そして、この表題部の内容を扱うのが、土地家屋調査士の専門領域です。

「登記=司法書士」と思われがちですが、
登記簿の表題部=土地建物の“客体”に関わる登記は、土地家屋調査士の分野なのです。

【実例】都内の住宅地で50㎡近いズレが発覚


ある東京都内の住宅地で、売却をきっかけに測量を実施したところ、
登記簿では350㎡とされていた土地が、実際には約400㎡近くあることが判明したケースがありました。都市部の土地で50㎡もの差があるというのは、資産価値や税額にも大きな影響を与える重大なズレです。登記情報が“絶対”ではないことを、まさに象徴するような例でした。

ズレの原因は「古さ」と「精度」にあり


こうしたズレが生まれる背景には、次のような事情があります。

・昔の測量は、巻尺など道具が簡易的だったために誤差が出やすい

・登記簿の面積(地積)は、実測ではない場合が多い

・測量をしないまま古い情報が引き継がれている

・建築後の増改築や用途変更が登記に反映されていない

測量の役割は「正確に測る」だけではありません

測量とは、ただ現在の形を正確に測るだけでなく、
明治時代の地租改正から続く登記の記録や、古い図面・資料を読み解き、土地や建物の“過去と今”をつなぐ仕事でもあります。

登記情報や境界図が“歴史的な痕跡”だとすれば、私たちの役目は、それを現在の土地と照らし合わせていくこと。
長い時間を経た土地に対し、正確で責任あるアプローチを行う必要があります。

例えば、こんな場面で測量が力を発揮します:

  • 登記簿の面積と、測量をした面積が違っていた
     → 昭和以前の図面をもとに現況と照合し、面積差を整理して売買に活かす
  • 昔の境界標がどこかに埋もれてしまっている
     → 古い資料や過去の地積測量図から読み解き、現在の敷地と重ねて検証
  • 祖父の代に建てたと思われる建物が登記簿と一致していない
     → 昔の資料を紐解き現況と比較して検討する
  • 相続登記のために、土地の境界や利用状況を明らかにしたい
     → 昔の区画と現況を比較し、相続人全員が納得できる資料を作成

測量とは、“いまの形”を記録するだけの仕事ではありません。
土地の履歴書を読み解き、未来へ引き継ぐための橋渡し役でもあるのです。

登記の変更が必要な場合は、専門家をご紹介します


すみれ測量設計事務所は、測量のプロとして、登記と現地の違いに気づく“きっかけ”を提供しています。
そして、地積や地目、床面積、構造などの変更登記が必要な場合には、提携する土地家屋調査士をご紹介しています。

まとめ|登記簿は“正しい”とは限らない。まずは調査することから


不動産の登記情報は、「正しい」と思い込まれがちですが、
実際には現地と食い違っているケースが少なくありません。

特に都市部では、数十㎡のズレが税額や取引価格に直結することも。

まずは調査すること。
それが、資産を守り、未来のトラブルを防ぐ第一歩です。