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【コラム】3Dモデルで拓く文化財の未来

2025.05.16

はじめまして。こんにちは。

株式会社すみれ測量設計事務所の中村です。


―――3D測量やモデリング、ドローン測量、境界測量、建築測量など、それぞれに対応できる会社はあります。しかし、これらすべての技術や知識を深く理解し、ワンストップで対応できる企業は多くありません。
当社は、最先端の技術と豊富な経験を活かし、お客様のニーズに合わせた最適な提案を行います。また、必要に応じて、登記業務を行う専属の土地家屋調査士と連携し、スムーズな手続きをサポートいたします。どのようなご依頼にも、安心してお任せいただけるよう、誠実に対応いたします。―――


神社仏閣の「今」を、100年先へ

文化財を守るということは、ただ現状を維持することではありません。
それは、「いかに次世代へ伝えるか」「どのように人々に魅力を届けるか」という、未来への取り組みです。2019年10月には、沖縄県の世界遺産「首里城」が、正殿を含む6棟が焼失し、今現在も再建に向けて3Dデータを活用する方法が大きな注目を浴びています。

私たち株式会社すみれ測量設計事務所は、これまで多くの土地測量・現況調査に携わってきました。そして今、私たちが培ってきた測量技術とモデリング技術を活かし、神社やお寺といった歴史的建築物を立体的にデジタル記録し活用する取り組みを進めています。

例えば、東京都江東区の富岡八幡宮では、作成したモデルをVRへ取り込み、モデル空間を散策できる取り組みを行いました。

私たちは、作成後の“活用”こそが大きな可能性を秘めていると考えています。ここでは、具体的な活用事例を3点ご紹介いたします。

―活用事例―


活用1:万が一の災害復旧に向けた「復元図」として

地震、台風、豪雨……。自然災害リスクが年々上昇する中で、木造建築物のリスクは避けられません。
作成した3Dモデルは、建物全体の構造・寸法を正確に再現しているため、被災後の復旧・再建において「当時の姿を忠実に戻す」ための設計資料として活用できます。

たとえば、細部の彫刻、屋根の反り、扉の寸法――それらは現場での計測では再現しきれない繊細な要素です。
しかし3Dモデルであれば、ミリ単位の精度でデータ化されており、復元の基礎資料として価値があります。


活用2:バーチャル参拝・地域発信への応用

3Dモデルは「現地に行かないと見られない文化財」を、誰でも・どこでも・何度でも体験できるコンテンツに変えます。

たとえば、ホームページや観光案内にモデルを埋め込み、スマートフォンから社殿内部を自由に閲覧できるようにすることで、
遠方の参拝者や、体の不自由な方にも“参拝体験”を提供できます。

また、季節限定の姿(雪景色の境内、桜に包まれた参道など)も3D上で再現することで、地域資源としての魅力発信にもつながります。


活用3:教育・後継者育成のための教材として

文化財の継承には「知ること」「学ぶこと」が不可欠です。
作成した3Dモデルは、子どもたちにとっても、建築を志す若者にとっても、リアルでわかりやすい教材になります。

構造や寸法が正確な立体モデルは、CADなどの設計ツールにも取り込み可能。
設計教育や修復技術の研修にも応用できます。

また、後継者不在の寺社にとっても、記録としての3Dモデルは大きな安心材料となります。


私たちが提供する“活用可能なモデル”

すみれ測量設計事務所では、現地測量から3Dモデリング、そして具体的な活用支援までを一貫して対応しています。

  • 高精度スキャン(社殿全体・境内など)
  • 点群処理・3Dモデリング
  • バーチャル表示形式(ブラウザ閲覧・VR対応など)
  • 建築図面との連携データ(CAD化)

必要に応じて、地域のイベント・展示用資料の作成支援や教育用モデルの簡易化などもご提案可能です。


デジタルの力で、心をつなぐ

3Dモデルは「記録」であると同時に、「語りかける資料」でもあります。
それを見る人の心に、時代や文化、信仰が宿るからこそ、単なるデータではない“価値”が生まれるのです。

私たちは、文化財の守り手である皆さまの想いを、技術の力でかたちにするお手伝いをいたします。

「今の姿を、100年後にも伝える」。その第一歩として、3Dモデルの導入をご検討いただければ幸いです。