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【コラム】3D Gaussian Splattingを試してみた
2025.12.04
こんにちは。
株式会社すみれ測量設計事務所の中村です。
今回のコラムは2回前の記事でも触れました3D Gaussian Splatting を試してみたというお話です。
レーザースキャナやフォトグラメトリで取得したデータを、最新レンダリング技術であるGaussian Splatting(以下 3DGS)へ落とし込む――そんな実験記録を、測量会社の視点でまとめました。
Gaussian Splatting とは?
Gaussian Splatting は、無数の 3D ガウス分布(スプラット)でシーンを表現し、画像と見間違えるほどリッチな描画品質の3Dモデルを作成する技術です。
- 点群の “点” がぼやけた球になるイメージ
- 各スプラットに色・不透明度・向きなどを持たせることで陰影が滑らか
- メッシュ化不要 → 点群やフォトグラメトリの “重い” データを高速レンダリング
測量で得た 「形は正確だけど見栄えは荒い点群」 を、「リアルタイムに動かせる CG」 へ昇華できる――これが 3DGS の魅力です。
実際に作ってみた
今回は3DGSを作成できるツールであるPostShotで作成しました。
PostShotに3DGSにしたい画像をそのまま放り込むだけで簡単に作成してくれます。
実際に私も作ってみたのですが、かなりお粗末な出来でした。用意した画像の質が悪かったのかもしれませんが、他の原因もあるかもしれません。
ですので、手順を少し工夫してみることにしました。Gaussian Splattingの学習の際に使用する初期点群使用しますが、PostShotで出力される初期点群があまり良くなかったため、以下の2パターンを試してみました。
- Reality Caputure + PostShot
- Reality Caputure + BLK360G2 + PostShot
使用したツール等の説明
| ツール | 用途 |
|---|---|
| Reality Capture | 写真位置合わせ & 点群生成 |
| BLK360G2 + Cyclone FIELD 360 | 高密度高精度点群取得 |
| CloudCompare | 点群軽量化 |
| PostShot | 3DGS 化 |
| FFmpeg | 動画を画像へ |
前準備:フォトグラメトリ用画像の用意
- 対象範囲を動画で撮影(様々な角度から)
- FFmpegで動画を画像に
試行1 Reality Caputure + PostShot
- Reality Captureでフォトグラメトリ(点群+カメラ位置姿勢情報csvをエクスポート)
- PostShotに画像+点群+csvを入力
結果:Good
試行2 Reality Caputure + BLK360G2 + PostShot
- BLK360G2で点群を取得
- CloudCompareで点群を軽量化(10MB程度)
- Reality Captureでフォトグラメトリ(カメラ位置姿勢情報csvをエクスポート)
- PostShotに軽量化した点群+画像+csvを入力
結果:Good
結果
初期点群を変更することで、構造・表現力が向上した!
今後の展望
- 広範囲の3DGSを作成
- Unreal Engineに取り込み、簡単なゲームを作成
- ゲームエンジン用に素材を用意(貫通しないようにモデルを下につくるなど)
まとめ
PostShot 単体 では再現が難しかった 3DGS も、写真 + BLK360G2 点群 + カメラ CSV を組み合わせることで、形状・質感の良い3DGSが作成できました。今後はゲームエンジンに取り込んだり、BIMなどのツールへの活用を模索していこうと思います。測量会社の高精度点群取得技術を活用し、精度の高い3DGSの活用を今後も考え続けてまいりますので、よろしくお願いいたします。