事例
CASE STUDIES
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【コラム】GISの研究室から日本の測量現場へ――発見に満ちた日々
エリア:
構造物:
実施年:
2026.07.09
こんにちは。王です。中国出身で、現在すみれ測量設計事務所で働いています。
来日前は中国で、地理情報システム(GIS)に関する研究に携わっていました。測量がどんな仕事なのか、正直あまり気にしたことがなかったんです。すみれ測量設計事務所に入ってから、その考えが少しずつ変わってきました。
1. 中国で見ていた測量のこと
中国でGISの仕事をしていた頃、測量との関わりといえば「データをもらう側」がほとんどでした。現場で計測されたデータを受け取り、それを活用する立場だったんです。研究の関係で現場に行く機会もあり、データ収集の様子を見ることはありました。
一番印象に残っているのは、そのスケール感とスピード感です。中国は建設規模が大きく、広いエリアを素早くカバーする需要が強いため、ドローン測量の普及がとても早い。DJIの機材は現場の定番で、飛ばして点群を取ったら次の工程へ、というテンポで進みます。RTKも広く使われていて、基盤となる測量プロジェクトでは、数十〜数百km²をカバーすることも珍しくありません。
また、3D都市データの整備も近年急速に進んでいて、北京・上海・深圳などではデジタルツインのプラットフォームを構築し、点群データや3Dマップを都市管理・都市計画に活用する取り組みが広がっています。目指す方向は日本のPLATEAUと通じるものがあり、それぞれのやり方で進んでいるという印象です。
ただ、測量というものを本当に理解し始めたのは、日本に来てからのことでした。
2. 日本の現場に入って――「データってこうやって生まれるのか」
すみれ測量設計事務所に入って、初めて「データが生まれる側」に立ちました。
基準点の設置から、精度確認、異常値の確認、成果書類の様式に至るまで、すべての工程に明確なルールがあって、省くことも簡略化もできません。最初は正直、面食らいました。以前の「必要な点が取れればOK」という感覚とは、まったく別の世界でした。
ここでの測量成果は、「設計・施工・登記がこれをもとに動く」ものです。社会的な責任を担う仕事です。データを受け取った人が安心して次の工程へ進めること――それが核心なんだと気づきました。データをもらう側にいた自分には、その重さがまったく見えていなかったと思います。
3. 思いがけず――過去の経験がつながってきた
入社した頃は、GISでの経験と測量の現場には、あまり接点がないだろうと思っていました。でも少しずつ、思いがけないところでつながってきたんです。
点群データの処理――ノイズ除去・分類・モデリング――は、研究で3D地形データを扱っていた頃の考え方と重なる部分があります。空間データの「読み方」も同じで、測量成果を地図上で見るとき、データが空間的におかしくないかを感じ取る感覚は、ArcGISでデータを見てきた経験と少し似ています。精度の要求水準はまったく別の話ですが、少なくともデータを見る目は、多少鍛えられていたのかなと。
「データを使う人」から「データをつくる人」へ――その間に、完全な断絶はなかったんだと思います。
おわりに
すみれ測量設計事務所に入る前、「測量」は自分にとって「データの出どころ」に過ぎませんでした。でも今は、その仕事そのものの重さが少しずつわかってきた気がします。データがどのようなプロセスを経て作られているのか、社会でどんな責任を担っているのか、そして測量という仕事がこれからどのような未来につながっていくのか。
今後とも、すみれ測量設計事務所をよろしくお願いいたします。